ヤギによる除草は、技術面・メンタル面でも思いのほか現代のニーズにマッチしているようだ。

前回に引き続き、以前から気になっていた“レンタルヤギ”についてである。
ヤギに敷地の雑草を食べてもらって除草する、しかも、そのヤギをレンタルするという話だ。
なるほどなあと感心していたら、「千葉大学西千葉キャンパスで今年もヤギによる環境に優しい除草が始まった」という記事に出会った。
昨年の試用期間の結果が上々だったことから、晴れて本採用となったのだ。
除草に要する労力とその精度から考えても、刈った草の処分費用を含めたコスト面を考えても、軍配は断然ヤギたちのほうに上がる。
その上、環境に優しく癒し効果もあるという、まさに現代人が求めるものがそろっているのである。
風にあごひげをなびかせながら緑の中でのんびりと草を食むヤギたち、その光景を想像しただけで思わず口元がほころんでくるではないか。
ヤギは「山羊」と書くようにもともと断崖絶壁で暮らしていた動物なので、険しい山や急な斜面、ゴツゴツした岩場も得意だ。
つまり、人が行けないような所や草刈り機の届きにくい場所でもヘッチャラなのだ。
ヤギにお願いすれば、除草剤不使用、機械によるCO2排出もゼロ、生態系への負荷もゼロ。
その上、ヤギが落としてくれる糞は天然の有機肥料となるので、有機農家や周辺の農地管理においても大助かりである。
耕作放棄地が増える中、下草を食べてもらうことで見通しがよくなれば獣害対策にもなる。
人口減少の時代に猫の手ならぬヤギの手を借りて、人ができないことを代わりにやってもらう。
まさに持続可能な除草手段であるが、それだけではない。
アニマルセラピー効果もあるというのがポイントだ。
ただひたすら草を食むヤギの姿を見ていると、訳もなく気持ちが安らぐ。
心が晴々として「これでいいんだ」という気持ちになり、いつの間にか元気が湧いてくる、そんな不思議な力があるらしい。
こうして考えていくと、ヤギによる除草が思いのほか現代のニーズにマッチしていることにあらためて気付かされる。
というわけで、レンタル先ではとても好評だというレンタルヤギ作戦。
“メンタルヤギ”と呼びたいくらいである。
技術の開発ももちろん頼もしい。
だが、こんな愛らしい助っ人ならなおさら大歓迎である。
