第26回 あちらを立てればこちらが立たぬ?

スーパーでも有機野菜の売り場が設けられるようになったし、有機JAS表示も目にする頻度が明らかに増えている。

ということは、それだけ消費者のオーガニックや環境に対する関心も高くなってきているということだろう。

そう思いたい。

自分もそんな消費者・生活者の一人でありたいと、野菜はできるだけ有機野菜を直接農家から、あるいは仲介をするサービスを通して、あるいはスーパーで購入する。

野菜以外の食品、衣料品、日用品でも、少しでも自分にできることは実行しようと、環境に配慮したものづくりをうたっていたり、環境にやさしい成分でできていたり、オーガニック製品であるものを選ぶし、フェアトレードも意識するようになった。

で、気になっていたことがある。

宅配便が届く。

ダンボールを開けた時、商品がプラ袋に丁寧に入れられている。さらに一つ一つが奇麗なイラストや説明書きが付いたプラスチックフィルムでパッケージされている。これってプラスチックごみになるんだよな……と思う。

例えばそれが有機野菜だったとしたら。

せっかくちょっと割高でも地球環境に良いことをと吟味して選んだ商品なのに、プラ袋に入れられていたら、何だか釈然としない。

商品を守るため、鮮度を守るためというのはよく分かる。

届いた野菜が萎れていたり痛んでいたりしたら、苦情の一つも言いたくなるだろう。

新鮮な状態で手元に届けたい、そんな作り手の思いが詰まっていることもよく分かる。

それだけに、悩ましい。

例えばお菓子。

開封すると中身が小分けにパッケージされているものが多い。

適量ずつ個包装になっていることで食べやすいし、残りの分も新鮮な状態で保存できる。

確かに、かつてはお煎餅などは大袋に入っていて、一度開封すると、食べ切れなくて残った分は全部いっきに湿気てしまうなんていうことがよくあった。

鮮度をそのまま保つ、中身が傷ついたり汚れたりしないように保護する、さらにパッケージは商品の宣伝ツールでもあるから、なんとも悩ましいのだ。

海外から日本にやってきた人が驚くことの一つに、商品の過剰包装があるという。

食品類、日用品、化粧品、衣類など、あらゆるものがプラスチックフィルムで包装されていたり、プラスチックの容器に入っていたりして、それがまた二重に包装されていることに対して批判の声もある。

日本は世界有数のプラスチック消費国であり、プラスチックごみ大量廃棄国家でもある。

国民1人当たりが出すプラごみの量は米国に次いで世界2位という不名誉。

“プラスチック中毒”とまでいわれているありさまだ。

しかも、自国で廃棄できない分を中国やタイやベトナムなどをはじめとする海外へ輸出して処分してきた。

しかし、これまでプラスチックごみを引き受けてきた国々が輸入規制をかけたため、そうはいかなくなった。

循環型社会への移行は待ったなしだ。

後れを取っている日本、さて、どうするか……。

2020年にレジ袋有料化が始まった。

微生物の働きによって二酸化炭素と水に分解されて自然界へと循環していく「生分解性プラスチック」の研究も進んでいる。

そして最近、通販で買い物をすると、紙袋に入って届くものが増えたことに気付いた。緩衝用の資材もエコなものに変わっている。企業も頑張っているのだ。

何を選ぶか、どこまで許容できるか、一番問われるのは消費者自身の意識なのだとつくづく思う。