第83回 オーガニックの応援団

オーガニックを支える環境のチカラ。その役割があって安心して美味しく自然の恵みを頂けている。
翻って私の役割はなんだろう。
そうだ、「オーガニックの応援団」としてこうしてひたすら綴っていくこと。それに尽きる。

「この世の中に『役立たず』なんていない、
『役立たず』という役割を果たしているのだ」
ふとした時にこの言葉を思い出す。
サックス奏者でミジンコ研究家でも知られる坂田明さんの言葉である。
みんな役割があって、その役割を果たしているからこそ、この星は生命にあふれているのだ。

さて、私の役割は何だろう。
おいしく食べること。
なんとも都合のいい役割だが、さすがにそれほど単純ではない。
おいしく食べるためには、何がおいしいかをちゃんと考える必要があるのだ。
味、調理、器、盛り付け、食べる場面、どれも大事な要素だが、
その前に、そもそも素材がおいしいものであるかどうか。

この「おいしい」というのはなかなか難題である。
あれこれ考え始めると地球のことにまで思考が飛んでいく。
一筋縄ではいかない。
健康であるからこそ、おいしい。
それは、食べる人間もだし、素材もである。

健康な野菜を育んでくれる土壌のチカラ。
良い土壌づくりをしてくれる微生物のチカラ。
微生物が生きるために必要な環境がそろっていること。
水、太陽。

微生物がつくってくれた土壌で植物が育つ。
虫や鳥などさまざまな生き物たちが活動する。
育った植物を草食動物が食べる。
それを肉食動物が食べる。
人間がそれを食べる。
そうやってみんな循環の中で健康に生きられたらハッピーである。

そこでふと思う。
人は食べた後、自然に何をお返ししているだろうか?
欲しいものを得て、余れば捨てる。
考えてみればいただくばかりではないのか?

水を汚しては駄目だ。
空気を汚しては駄目だ。
土壌を汚しては駄目だ。
いろいろなことを都合よくコントロールしようとしては駄目だ。
そんなのはもう今さら言うまでもなく分かり切っていることである。

自然と共生することがオーガニックの本来の目的である。
自分に何ができるか。

2026年現在、国連の推計によれば
地球上の総人口は約83億人だとか。
83億分の1人の自分、
気の遠くなるほど小さな存在だ。
けれども、地球上に確かに生きている83億人のうちの1人なのである。
役割はある。
こうしてひたすら綴っているのも役割の一つであると自負している。
なにしろオーガニックの応援団なのだから。

有機の応援団 伊藤 真理
 フリーライター ことなひまめ事務所代表
大学卒業後、会社勤めを経てライターとして独立
FMラジオ番組のエッセイ原稿、新聞社の特集記事や料理レシピ、経済誌の取材原稿、社内報のコラム・エッセイ等執筆多数
モットーはクリエイティブライティング、大切にしているのは「言葉」のチカラ
10年前、有機野菜が届く暮らしを始めてから見える世界が広がりました!