太陽の光に背を向け、地中で生きることを選んだ生きもの、「モグラ」。
天敵から逃れてもぐり込んだ土の中は案外暮らしやすかったようだ。餌にも困らない。前にも後ろにも自由に動けるし、シャベルのような前足でどんどこトンネルも掘れる。完全に土の中仕様になった。
そんなわけで、モグラには目がない。いや、一応目という器官はポチッと2つあるものの、必要がないのでほとんど機能していない。つまり、ほとんど見えていない。その代わりに触覚・嗅覚・聴覚がとても発達した。だから暗闇の世界にはめっぽう強いのである。
私たち人間の目に見えている世界はほんの一部だ。知らないことがたくさんある。見えているのに気付かないこともたくさんある。もっと五感を使わないと、そのうち退化しそうだ。
そこで、目が見えなくても土の中を自由自在に掘りまくるモグラにあやかって、あれこれいろいろな話題を掘り起こしてみようと思う。題して「モグラの目」。見えないものが見えてくるかも? そんな思いを込めて。
どうぞ、お茶でも飲みながら。