第71回 オーガニックの原点から

何事も原点に戻って考えてみるのは良いことだ。
というわけで、まずはオーガニックとは何ぞやと、あらためてひも解いてみる。

この地球上には、目には見えない微生物も含めてたくさんの生きものがいる。
そして、互いに作用し合い、生かし合って暮らしているのである。
みんなつながっていて、どれか1つだけを切り離して考えることはできない。
そんな全ての命を幸せにする仕組み、これがオーガニックの目指すものであり、原点である。

“有機の国連”ともいわれる国際NGO「IFOAM(国際有機農業運動連盟)」は、オーガニックが依拠すべき基本法則として「健康」「生態系」「公正」「配慮」の4つ掲げている。
土壌も、植物も、動物も地球環境も、全てが健康な状態であることによって健全な食物連鎖が守られ、健全な自然環境や社会環境が実現すること。
生態系のバランスを崩すことなく自然と共生すること。
農業者も労働者も、加工業者も流通・販売業者、消費者、そして動植物も含めてフェアであること。
未来を生きる子どもたちに負の遺産を渡さない配慮をすること。

そうなのだ、オーガックの領域は食の安全・安心や環境問題だけではない。
「全ての命を幸せにする仕組み」――これがオーガニックの目指すものである。

こうした考え方が少しずつ浸透することによって、世の中は変わっていく。
歩みはのろくても、着実に変わってきている。

いろいろな立場があり、いろいろな考え方がある。
「歴史」となった後ならそこに至る道筋がよく見えることも、真っ只中にいる時には分からないままに迷い、振られたり流されたりしてしまうこともある。
だからこそ、冷静に俯瞰する眼が必要になる。
時にはこんなふうに立ち止まって振り返ることで、進むべき方向がズレてはいないかを見定めることも大事だ。

世の中が変わろうとする大きなうねりの中にある時こそ、ではないだろうか。